その「応援する女性」の動画、AIフェイクかもしれません
サッカーワールドカップが盛り上がっていますね。SNSを見ていると、現地で応援している人の様子みたいな動画や画像がたくさん流れてきます。でも、その中に結構な数のAIフェイクが紛れていることに気づいていますか?今回のVoicyでは、このAIフェイク動画問題について、実際に検証してみた話をしました。
NHKも報じた「応援する女性」AIフェイク動画
この件、NHKニュースでも報じられていました(参考:サッカーW杯”応援する女性”AIフェイク動画が拡散 注意を)。記事によると、ワールドカップが盛り上がる中、SNS上ではAIで作られた現地サポーターの様子だとする偽の動画や画像が次々と拡散していて、本物との見分けがつきにくいケースも多いとのことです。これ、自分でも実際に追ってみたら、本当にその通りでした。
出どころを辿ると、元ネタが見えてくる
「現地で応援していた女性」として拡散されていた画像を、Googleレンズでリバース検索してみたんです。すると、構図が一致する元の写真がちゃんと出てきました。どうやら、5月末に行われた日本対アイスランドの壮行試合の際にサッカー系のWebメディアに掲載されたサポーター写真が元ネタになっていて、そこから加工・流用されたものだったようです。中には、1人だけ切り抜いて別人に差し替えるという編集まで見つかりました。
なぜ、こんなに拡散してしまうのか
ワールドカップのような全世界が注目するイベントは、偽の情報でもインプレッションが取れてバズりやすいんですよね。一度バズると、それにあやかろうとダウンロード→再投稿という「おこぼれ拡散」が連鎖していきます。パッと見て判別せずに「いいね」や共有が重なることで、タイムラインがどんどん偽情報で埋まっていく構造があります。
イベント時も災害時も、同じ構造のリスクがある
これ、ワールドカップだけの話じゃないんです。地震や台風などの災害時にも同じ現象が起こりやすいと言われています。みんながタイムラインを頻繁に確認するタイミングだからこそ、過去の映像や別の出来事の素材が「今起きていること」のように紛れ込んでしまう。台風も近づいてきている今、この点は特に気をつけてほしいなと思っています。
見分け方:リバース検索と生成AIへの確認
怪しいと思ったら、まずはGoogleレンズなどでリバースイメージ検索をして、構図が一致する元の掲載元を探してみる。これがファクトチェックの第一歩です。それでも判断がつかない場合は、生成AIで加工された画像には目に見えない電子透かし(システムIDのようなもの)が入っていることがあるので、その画像をGeminiやChatGPTに見せて「これはAIで生成されたものか」を聞いてみるのも一つの手です。ツールや設定によって検知できるかどうかは変わりますが、意外と教えてくれることも多いんですよ。
子どもたちにどう伝えるか
学校現場にいる立場としても、この話は中高生にぜひ伝えたいなと思っています。「これってAIで作られたものかどうか、自分で調べる方法があるんだよ」と伝えるだけで、安易な「いいね」や共有にブレーキをかけるきっかけになります。小学生でも興味を持ってくれる子はいると思うので、年齢に応じて伝え方を工夫しながら、検証する習慣を一緒に育てていきたいですね。
まとめ:まずは「すぐに反応しない」
結局、何より大事なのは「すぐさま飛びついて反応しない」という姿勢だと思います。ワールドカップが続く間も、台風が近づいているこれからの時期も、SNSで見かけた映像や画像には一度立ち止まって、リバース検索や生成AIツールで出どころを確認する。そんな小さな確認の積み重ねが、情報空間の信頼性を守ることにつながるんじゃないかなと思っています。
