Claude Codeとの出会い、最初の1行で手が止まった話

ターミナルに

「claude: command not found」

という一行が表示された瞬間、手が止まった。

教育DXという言葉が出回るずっと前から、生成AIを授業や校務に持ち込んできた。登壇や取材の依頼が来ることもある。それなりに「使い慣れている」つもりだった。

だが今日、Claude Codeという一つの道具の前では、その自負はあっさり崩れた。インストールコマンドを打てば一発で動くと思っていたら、画面はそっけなく「見つかりません」と返してきただけだった。

知っている道具のはずが、なぜ最初の1行で止まったのか

教育DXの実績があるからといって、新しい道具の前で何も知らない1年生になる、ということは何度も繰り返されてきた。今日はその繰り返しの、また新しい1回だった。

言われた通りにコマンドを打ち、ターミナルを再起動する。それだけのことに、最初は妙な緊張があった。「言われたことをそのままやる」という、普段は子どもに求めている側の行為を、自分がやる側に回っている。その逆転がどこか落ち着かなかった。

黒い画面のターミナルから、見慣れたデスクトップアプリの画面に切り替わったときも、安心したのは一瞬だった。「作業するフォルダを指定してください」と表示されて、フォルダの指示って何のことだろう、と固まった。どこのフォルダでもいいのか、決まった場所があるのか、見当もつかなかった。

続けて出てきた「自動で実行しますか」という確認にも、自動って何が自動になるのか分からないまま、よく分からない不安だけが残った。見た目がやさしくなったぶん、分からなさの種類が変わっただけだった。

「素材・下書き・完成物」という、知っていたはずの感覚

つまずきの中に、見覚えのある形も見つかった。Claude Codeに作業フォルダを設計してもらうと、inbox・reference・draft・output・archiveという構成が提示された。「未整理の素材」「固定の参照情報」「下書き」「完成物」「使い終わった保管」――説明を受けてすぐに腑に落ちた。

紙の作業でも、似たことを普段からやっていた。配信の文字起こしをまず雑に置いておく場所、見返したい資料を別にまとめておく場所、書きかけの原稿と公開済みの原稿を混ぜない場所。新しい道具の中に、すでに知っていた整理の感覚を見つけた瞬間だった。

そのすぐ後で、もう一つのつまずきが来た。設定ファイル(.claude/settings.json)を作ってもらったところ、最初は形式が間違っていた。permissionsの箱が抜けていたのだ。これには自分では気づけなかった。指摘されて初めて、「直して」と頼み直した。フォルダ構成は理解できても、設定ファイルの中身が正しいかどうかを見抜く力は、まだ自分の中にない。

会いに行ける1歩目は、まだ遠くにあるのかもしれない

今日やったことを並べると、たいしたことには見えないかもしれない。インストールして、フォルダを作ってもらって、設定の不備を直してもらっただけだ。だが、この1日分のログ自体を、最初の記事の材料にしてみようと思っている。今これを書いている行為そのものが、その1歩目だ。

正直に言うと、ラフを作るだけなら、自分で書いてもいいし、いつものChatでAIとやり取りすればいい。そのほうがずっと早かったはずだ。なのに、わざわざ不慣れなClaude Codeでやってみたくなる自分がいた。失敗するとわかっていても試してみたくなる、あの感じだ。ギリギリで上手くいったときのドバドバ出る楽しさを、たぶんまた求めていたのだと思う。

次にClaude Codeを開いたら、設定や環境構築以外で、1つだけ自分で考えたお願いをしてみようと思う。たとえば「inbox/の中身を要約して」というような、小さな一言から。

最後に

輪郭がにじんだままでも、それでいいのかもしれない。あなたが今、手探りで触っている「1つの新しい道具」はありますか?大人でも、はじめて触ってドキドキワクワクを楽しみながら、遠回りのような近道を体験するのもいいかもしれません。

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